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み言葉のいづみ

結実の陰にある御業

2018-09-01
千代崎 備道
 
 神の国は、人が地に種を蒔くようなもので、夜は寝て、朝は起き、そうこうしているうちに、種は芽を出して育ちます。どのようにしてか、人は知りません。地は人手によらず実をならせるもので、初めに苗、次に穂、次に穂の中に実が入ります。実が熟すると、人はすぐにかまを入れます。収穫の時が来たからです。
 
(マルコの福音書四章26~29節)
 
技術が発展して、数ヶ月分の映像を編集して数分間に縮めて見せれば、芽が出てニョキニョキと成長して実を結ぶまでを見ることができます。穂の中を断面図で見せて、実が大きくなる様子を描くことも可能です。でも、どうしてそうなるのかは分かりません。学生時代に、光合成により空気と水から炭水化物が合成されるサイクルを学び感動しましたが、どうして植物がそのように働いているかは分かりません。科学は昔より多くの知識を与えてくれますが、さらに多くの疑問が出てきます。そうやって科学技術は発展するものだからです。結局のところ、私は子供時代と変わらず、いつのまにか植物が生長して、花が咲き、実がなるのを不思議に感じるのです。それでも、実がなると、その果実を味わうことができます。もし、成長のプロセスを知らなければ、食物は工場で出来たとしても違いは分かりません。でも、多くの人の努力や労があり、誰よりも、その背後におられる神様が実を結ばせてくださったことを知るなら、感謝して食べることができます。
私たちは仕事などが上手くいくと、その結果だけを享受したり、その過程の一部だけを知って人間の働きを誇ったりもしますが、背後で働いておられる方を忘れることがあります。それは教会でも、また信仰者の生活でも、同じ事が起こりえます。
「神の国は」とイエス様は譬え話を始めておられます。教会が成長し、私たち一人一人が畑の麦にように成長していきます。一人の人が教会に導かれ、何人もの方がその人と関わりを持ち、やがてその人がイエス様を信じて救われ、さらに成長して神様の働きをするようになる。その全てにおいて、人間だけでなく、神様の働きが見えないところにあるのです。ですから、今は、まだ実が結ばれていない段階でも、見えない部分で神様の助けがあり、一歩一歩進んでいることを信じて、祈りながら結実を待ち望みたいと思います。やがて結実し、収穫の時が来た時、神様に感謝を捧げましょう。
宗教法人日本ホーリネス教団
池の上キリスト教会
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