み言葉のいづみ
闇の中に輝く光
2012-03-01
千代崎 備道
わたしは、世の光です。わたしに従う者は、決してやみの中を歩むことがなく、
いのちの光を持つのです。
(ヨハネの福音書八章12節)
イエス・キリストの誕生を祝うのがクリスマスですが、正確な誕生日は記録には残っていません。羊飼いたち
が野宿をしていたことから、寒い季節ではなかったという推察もあります。キリスト教が北欧に広まっていったと
きに、異教の祭りであった冬至祭が造りかえられ、今のように救い主の誕生を祝う日になったのだと言われて
います。冬至が選ばれた理由は、この頃から日が伸び始め、光が闇に打ち勝つようになるからです(ヨハネ一
5、9参照)。世の光であるお方の誕生を記念するのにもっとも相応しい日だと言えましょう。
闇は決して光に打ち勝つことはできません。ですから、どんな暗闇の世界であっても、小さな光があるならば、そこに平安が生まれ、希望を持つことが出来るのです。世の光であるキリストに従い、いつも主の光を見上げ
て歩むならば、主が足下を照らしてくださり、また、遠くのゴールを示してくださって、正しい方向に導いてくださ
るのです。
今は、闇のような時代かもしれません。社会的な不安があり、明日はどうなるか誰も分かりません。一人一人
も暗い心を持ちながら、行き先を知らずに彷徨っているかのようです。ある人はまがい物の光を刹那的に楽し
んで気を紛らわしますが、そのようなものは時間が経てばメッキがはげてきます。私たちは偽物に惑わされる
ことなく、本当の光であるお方を信じ、心の中で主に輝いていただく恵みを、何よりも大切にしましょう。
東日本大震災から一年が過ぎました。ある方々は勇気を持って復興へと歩みだしておられます。しかし、まだ
悲しみや不安の中で辛い時を過ごしている方々も少なくありません。誰にとっても、いつかは本物の光が必要な
時が来ます。その時まで教会は、また私たち一人一人は、主からの光をうけて、この世にあって光として歩む
使命を持っています。それは、暗闇の中で光を見出した救いと、心の闇に光を照らしていただいて新しい心にし
ていただく恵みを、自分自身が日々、新たに経験させていただくことで、証しとなって主に光を示すことができる
のです。今日も、御言葉の光をいただきつつ、主に従っていきましょう。
