み言葉のいづみ
主の勇士とされる
2016-05-01
千代崎 備道
主の使いが彼に現れて言った。「勇士よ。主があなたといっしょにおられる。」
(士師記六章12節)
今年は5月第三日曜がペンテコステ、聖霊降臨日でした。『使徒の働き』第2章に描かれているように、聖霊
が弟子たちの群れに降られたことによりキリストの教会が誕生しました。それまでは祭司長たちの迫害を恐れ
て、戸を閉めて隠れていた弟子たちが、この時から、恐れずに命懸けで福音を伝える者となりました。弱い者が
強くされたのです。
旧約聖書の士師記では、国の危機を救うために、神様は人を選び士師(裁き司)として、国を正しく治めさせ、また外敵の攻撃から民を守らせました。ギデオンは、ミデアン人の攻撃を恐れて酒船の中で作業をするほどに
気が小さかった。しかし主に励まされて、敵の軍勢に反抗して立ち上がったのです。弱虫が勇士となったので
す。
しかし、この勇士は、自分が強いから勇士なのではなく、「主が共におられる」からこそ、主の勝利に与ること
が出来るのです。最初、ギデオンは、自分には力が無いと心配し、勇士として召されることを、拒まないまでも、証拠としての奇蹟を求めました。召してくださった神様への信頼が無かったのです。しかし主は、そんな不信仰
なギデオンを見捨てず、彼の求めに応え、戦いを勝利に導いてくださり、ついに本物の勇士にしてくださったの
です。
その神様が、聖霊を教会に遣わし、その教会の枝である弟子たち一人一人の上に炎のような様子で、ご自身
が下られたことを分からせてくださったのです。そして世界に福音を伝えよとのキリストの命令を実現できるよう
に、外国の言葉で語らせ、群衆の前でも、また祭司長たちの前でも、勇気をもって主の復活を語る者にしてくだ
さいました。こうして教会が始まり、やがて迫害の時代にも勇気をもって福音を世界に広めていったのです。
ペンテコステの日以来、聖霊は今も教会の内に働き、また私たち一人一人の心の内にあって導いておられま
す。ですから、私たちも主の働きに用いていただけるのです。それは、自分が勇士だからではありません。主が
勇士であって、主から離れては私たちは何一つできない。しかし、どこにいても、何をするときでも、主が共にい
てくださることを信じ、主の御名によって御心に従うなら、神様は私を主の勇士として、良き業に用いてくださるの
です。
